cicahouse’s diary

鹿で結ぶモノづくり集団のブログ

マニアックなお話、、、

どうも、かばん屋です!!

 

今日はかなりマニアックなネタです!!

ふだん、講座でやっていることを書こうと思います!!

 

まずは、革の部位と繊維の方向について説明します!!

 

そもそも、革をまるまる見ることってあまり機会がないと思います。

自分もかばん屋になってようやくみるようになりました。

日本の革は、頭からお尻にかけて半分に切った革が基本です。

それを半裁といいます!!

半裁にはそれぞれ名称があり繊維の方向があるので、部位によって作るものが変ってきます。

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革は繊維からできていて、繊維の太さや密度、流れの方向は部位によって異なります。

 

ベンズ

背コツを挟んで左右の部位は繊維が細かく密度がある。特にお尻、背中寄りは繊維が緻密で強く、流れは背に沿っている。

 

ショルダー

肩の部分。ベンズに比べると繊維が太い。

 

ヘッド、ベリー

首、お腹に近づくほど、繊維は粗く散漫になる。

 

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次は、どの部位をどのようなものを作るのかを説明します。

 

作品の各パーツは役割のよって繊維の方向を気にしながら材料を取らなければならない。

繊維の方向を気にしないで良い部位から取ってしまうとロスが多くなってしまう。

そのため、効率よく、無駄なく取ることが大切です。

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財布のかぶせなど、曲げた状態で使用するパーツは伸びやすい方向と合わせなければうまく曲がらない。

 

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カードポケットなど、モノを差入れるパーツは、繊維方向を横にしなければ使っているうちに伸びてしまう。

 

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ストラップなど、引っ張る力が加わるパーツは、長辺を繊維方向と合わせなければ次第に伸びてしまう。

 

そして、切り革の判断方法は、、、

切り革(長方形にカットされて販売されている革)は、部位の判断が見て目では難しい。その場合は、軽く曲げ抵抗がある方向が伸びにくく、素直に曲がる方が伸びやすいと判断する。また、トコ面の繊維の密度で判断できる。

 

次は、、、ギン面とトコ面について!!

 

ここまで何度か使われてきた言葉ですが、ギン面とトコ面もレザークラフトを知るうえで大事なワードです。

 

A.ギン面

 体の外側を向いていた面がギン面。一般的にはギン面を作品の表に出して使用します。ギン面を削りとった革もある。

B.トコ面

 体の内側だった面がトコ面。トコ面は毛羽立っていて手触りが良くないため、張り合せたり、裏地を貼ったり、処理剤で磨いて滑らかにしたりする。

 

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さらにマニアックな知識!!

革の厚み、革の層、染み込みやすさについて、、、

 

①革の厚み

作品作りをする上で、革の厚みは大切な要素です。厚みによって革の固さは変わりますし、寸法にも影響が出る為、仕上がりの雰囲気が予想以上に変る可能性があります。構造が複雑な作品では厚み設定が重要なポイントです。

 

②革の層

表皮の下にある真皮がギン面になる層。その下の真皮の網状層がトコ面である。

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③染み込みやすさ

加工や仕上げ方法に大きく左右される要素。オイルが染み込ませている革、表面加工されている革は水分や油分が染み込みにくい。反対になめしたままの特別な処理をしてない革はそれらを染み込みやすい。

これらの特徴は、染色のしやすさや、手垢や接着剤のシミによる汚れやすさに関わってきます。

 

と、かなりマニアックなネタ回でした!!笑

 

ちなみに、自分が普段使用してる鹿革は半裁ではなく、まるまるです!!

それは、何個か理由はあるのですが、いずれ別の機会にお話しします~!!

 

それでは、このへんで!!

長々とありがとうございました~